県議団対新体制運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/14 02:19 UTC 版)
「特高課長講演問題」の記事における「県議団対新体制運動」の解説
大政翼賛会が結成された直後の11月19日に開かれた県議会において、新体制運動に傾倒していることで知られた当時の特高課長が、大政翼賛会結成直前に開かれたとある青年団向けの講演会で「新体制には旧体制の者は駄目だ。年寄りは駄目だ。宜しく引かせなければならぬ。」と発言した事実が取り上げられ、問題となった。 これは課長が旧体制=既存の政党出身の政治家の排除を意図したものだと、みなされたのである。さらにこの課長が別の講演会でも遠回しに、こうした人達の逮捕も場合によっては必要である、との趣旨の発言をしたことも明らかとなった。こうして県議達は、これを自分達の逮捕を計画しているものなのか、と騒いだのである。これに対して県側は、課長による「個人的発言」以上の意味はないものではないとしたため、県議会は空転した。だが、県議団では、大政翼賛会の結成早々の紛糾は宜しくないとして、すぐに県の見解を受け入れた。 ところが、これを知った右翼や青年団は、課長の発言は国を思う発言であるとして、課長の行動を擁護した。このため、12月に入ると、課長を誹謗する旧体制の政治家と「個人的発言」と切り捨てた県幹部への非難決議や県議団の解散を求める署名・陳情が各地より寄せられるようになる。 県議団は当然これに強く反発したが、県議団幹部に不満を抱いていた若手県議の間でも、右翼や青年団の動きに同調する動きがあった。だが、県議会が新体制への協力と右翼や青年団の行動を非難する決議を採択すると、これを受けた知事の立田は、課長個人に対してはこれを庇う姿勢を見せる一方で、県議会を県政を構成する重要な要素と位置付けて、逆に右翼や青年団による一連の擁護の動きを「世論を混乱させて新体制を妨害する運動」を非難、彼らによる県議団への中傷を取り締まることを宣言したのである。
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