直接支払制度・受取代理制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 00:19 UTC 版)
「出産育児一時金」の記事における「直接支払制度・受取代理制度」の解説
出産に伴う費用は通常かなりの高額であり、一時的にでも窓口で多額の現金を用意しなければならない手間がかかる。そのため、緊急の少子化対策の一環として、安心して出産できる環境を整備するという観点から、2009年(平成21年)10月以降の分娩については出産育児⼀時⾦の請求と受け取りを、被保険者に代わって医療機関等が⾏う「直接支払制度」が設けられている。また従来より被保険者が請求した出産育児一時金の受け取りを医療機関等に委任する「受取代理制度」も行われている。これらの制度を利用することで、被保険者の側は窓口では分娩費用と出産育児一時金との差額のみの支払いで済み(分娩費用が出産育児一時金の額未満の場合は、差額が還付される)、医療機関の側にとっても分娩費の未払いといったリスクを回避することができる。「受取代理制度」は厚生労働省に届出を行った小規模な診療所のみで、現在では大部分の医療機関等が「直接支払制度」に対応している。 また、出産前に医療機関等にまとまった額(緊急の処置、入院時の保証金等)を支払わなければいけなくなった場合、保険者が行う無利子の貸付制度として「出産費貸付制度」がある。協会けんぽの場合、被保険者または被扶養者で出産育児一時金の支給が見込まれる者のうち、出産予定日まで1ヵ月以内、または妊娠4ヵ月以上の者を対象に、出産育児一時金の8割相当額を限度として貸付けを受けることができる。さらに、妊婦健診等により、帝王切開など高額な保険診療が必要とわかった場合、「限度額適用認定証」等を入手し、通常の高額療養費制度を利用して窓口負担を抑える方法も可能である。 なお、いずれの方法を利用するかは被保険者の任意である。医療機関の側でも、退院するまでの間に被保険者等に直接支払制度等について説明し、制度を利用するかどうかの意思確認をする必要がある。
※この「直接支払制度・受取代理制度」の解説は、「出産育児一時金」の解説の一部です。
「直接支払制度・受取代理制度」を含む「出産育児一時金」の記事については、「出産育児一時金」の概要を参照ください。
- 直接支払制度受取代理制度のページへのリンク