盤胞胚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 14:45 UTC 版)
は虫類や鳥類などでは卵黄が非常に多く、細胞質は動物極側に極端に偏り、卵割はその部位でのみ起こる(盤割)。その結果、卵黄の表面に盤状の細胞層が乗っかった形となり、卵黄との間にわずかな隙間を作る。この細胞層を胚盤と呼び、卵黄との間の隙間を胚盤下腔というが、これが胞胚に当たる。胚盤下腔は胞胚腔に相当する。魚類に於いてもほぼ同様の形を取る。 ほ乳類の場合、卵割が進んだ胚は一見ではウニなどと同様にほぼ中空の構造を作り、これが胞胚に当たり、ほ乳類ではこれを特に胚盤胞という。ただし、中央の空洞は胞胚腔と相同ではない。と言うのは、この構造は外周に一層の細胞層があり、その内側の一カ所に細胞集団がある。前者を栄養芽層(栄養外胚葉)、後者を胚結節(内部細胞塊)と言うが、この内で胚を形成するのは胚結節のみなので、栄養芽層の方は胚膜などになってしまう。これはつまり、ほ乳類はは虫類的な祖先から進化したものであり、上記のような盤胞胚の形から、胎生への移行によって卵黄を全て失ったことによる変形をした結果と考えるべきである。
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