畠山尚誠とは? わかりやすく解説

畠山尚誠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 05:14 UTC 版)

 
畠山 尚誠
時代 戦国時代
生誕 享禄4年(1531年
死没 不明
別名 次郎(通称[1]
氏族 畠山総州家
父母 父:畠山在氏
テンプレートを表示

畠山 尚誠(はたけやま ひさまさ/なおまさ)は、戦国時代武将畠山総州家義就流)当主。

尚誠をもって、義就流畠山氏は史料から姿を消す[2]

生涯

享禄4年(1531年)、畠山在氏の嫡子として誕生したとみられる[3]

父・在氏は、天文18年(1549年)5月9日、細川氏綱を擁する三好長慶遊佐長教方と細川晴元方の北庄における戦いにて、晴元方に味方して敗北[4]。6月24日には江口の戦いで晴元は敗れ、晴元政権は崩壊し、これに伴い義就流畠山氏(総州家)は没落する[5]

その最中の同年6月4日、尚誠は、代替わり文書とも言える河内国観心寺への段銭等の免除の判物を発給しており(『観心寺文書』)[6]、この頃までに家督を継承していたと思われる[5]

天文21年(1552年)には、大和国宇智郡に勢力を持っていたことが確認でき[7]、家臣・平誠佑(左衛門大夫)や遊佐家盛(越中守)などと共に河内奪回戦を行おうとしている[8][9]。当時、河内を支配する政長流畠山氏(尾州家)では重臣・遊佐長教の暗殺や萱振一門の粛清など内紛とみられる状況があり、それに乗じたものであったが、三好長慶と結ぶ政長流畠山氏の基盤は固く、この試みは失敗に終わった[9][10]

弘治2年(1556年)、畠山高政(政長流)の内衆・安見宗房が大和の布施氏を攻めた際、尚誠は布施氏に加勢しているが[11]、この頃の義就流畠山氏は大和・河内・紀伊の国境付近の一勢力に没落していたとみられる[12]

永禄元年(1558年)4月21日、河内国金剛寺に段銭免除を行っている[13]

永禄8年(1565年)5月、三好氏による将軍足利義輝の殺害(永禄の変)後、同年8月26日に尚誠が義輝の実弟・一乗院覚慶(後の足利義昭)からの求めに応じていることが知られるが[14]、これ以後の尚誠の消息は不明である[12]

一説では松永久秀の仲介で、高政の家臣となったともいわれる[15][16]

子女

信長公記』には別所吉親の妻が「畠山総州の娘」とあり、尚誠か在氏の子である可能性がある[17]

脚注

  1. ^ 弓倉 2006, pp. 18, 299.
  2. ^ 和歌山県史編さん委員会 1994, p. 565.
  3. ^ 弓倉 2006, pp. 296–297.
  4. ^ 弓倉 2006, p. 296.
  5. ^ a b 弓倉 2006, p. 297.
  6. ^ 和歌山県史編さん委員会 1994, p. 564; 弓倉 2006, pp. 267, 284, 297.
  7. ^ 「隅田八幡神社文書」。
  8. ^ 「栄山寺文書」。
  9. ^ a b 弓倉 2006, pp. 297–299.
  10. ^ 「良尊一筆書写大般若経奥書集」天文21年6月7日条。
  11. ^ 『厳助往年記』。
  12. ^ a b 弓倉 2006, p. 299.
  13. ^ 和歌山県史編さん委員会 1994, p. 564.
  14. ^ 久保尚文「和田惟政関係文書について」『京都市立歴史資料館紀要』1号、1984年。/所収:久野雅司 編『足利義昭』戎光祥出版〈シリーズ・室町幕府の研究 第二巻〉、2015年。 
  15. ^ 『続応仁後記』。
  16. ^ 弓倉 2006, pp. 299–300.
  17. ^ 弓倉 2006, p. 300.

参考文献

関連項目

外部リンク

先代
畠山在氏
河内畠山氏 (総州家)
畠山尚誠
次代
-




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「畠山尚誠」の関連用語

畠山尚誠のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



畠山尚誠のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの畠山尚誠 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS