町練りと本練り、浜練り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/16 09:03 UTC 版)
「富田の鯨船行事」の記事における「町練りと本練り、浜練り」の解説
鎮火祭が終わると町練りが始まる。各町の御神燈や祭礼役人、御祝儀所に門付けして鯨を突きながら路地裏を練り歩く事を町練りと云う。 8月15日は鳥出神社の大祭の日であり、各組が順番に鳥出神社に本練り(鯨突き)を奉納する。本練りはまず鳥居を外から突いて境内に入り、境内では本殿1本と別社1本の鯨突きを奉納する。逃げる鯨と追う鯨船の勇壮さがこの祭りの最大の見所である。 鯨船の練りにはストーリー性がある。上げ唄でまず羽刺し(はたし、銛打人)が「沖の鯨を見つける」。見つけたら太鼓の拍子に合わせて船がどんどん鯨を追いかけるが、やがて逃げる鯨は追う船に逆襲を開始、船は慌てて後退する。そして再び反撃転じて鯨を追いかける。鯨と船の追いつ追われつの駆け引きと太鼓の拍子がこの祭り最大の見所である。追いつめてもするりと逃げる鯨をどんどん追いかけ、ついには巨体を上げて観念、羽刺しに突かれる。「めでたい」の上げ唄と共に、嬉しさや感謝の唄い、鯨を引き上げる際の大きな縦揺れを「拝礼」に模して演技は終了する。 ハマの鯨船は本練りの後、かつて砂浜であったハマに戻り浜練りをする。ここの練りは観客に見せるというよりはむしろ町内の人々が祭礼有終を楽しむといった様式で、日没まで多度神社と伊勢神宮の方向にそれぞれ1本ずつ鯨突きを奉納する。
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