田中純_(作家)とは? わかりやすく解説

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田中純 (作家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/23 04:09 UTC 版)

田中 純(たなか じゅん、1890年1月19日 - 1966年4月20日)は、日本の作家文芸評論家翻訳家

広島県広島市に生まれる。関西学院神学部を出て伝道師となるが、早稲田大学英文科に入学。同じクラスには宮島新三郎、植村宗一(直木三十五)、青野季吉西条八十細田民樹細田源吉木村毅らがいた[1]1915年に大学を卒業。春陽堂に入り、『新小説』の編集に携わる。ピョートル・クロポトキントゥルゲーネフなどの翻訳などをしつつ、久米正雄里見弴らと知り合い、文芸評論、小説、戯曲などを書くようになり、1920年に発表した「妻」で認められた。1919年吉井勇とともに外務省小村欣一の肝煎りで国民文芸会を結成し、演劇復興運動を起こす。同年、吉井、里見、久米とともに理事として雑誌『人間』を創刊、中途から植村宗一(直木三十五)が編集に当たった。キリスト教徒として節酒運動にも携わった。

戦後は大正期文壇の生き証人としての文章を記した。ほかセオドア・ドライサー『アメリカの悲劇』を初めて訳した。

1966年4月20日、死去。76歳没。

著書

  • 『妻』新潮社、1920年
  • 『月光曲』金星堂、1922年
  • 『闇に哭く』玄文社、1924年
  • 『輪舞』新潮社、1925年
  • 『美濃と飛騨の旅』日本風景協会、1931年
  • 『無明の春』忠文館書店、1933年
  • 『耶蘇伝』堀書店、1948年
  • 『ヴェールを外した作家の横顔』朝日新聞社、1955年(朝日文化手帖)
  • 『文壇恋愛史』新潮社、1955年(一時間文庫)
  • 『続・文壇恋愛史』新潮社、1955年(一時間文庫)
  • 『女のたゝかい 女性解放の旗手たち』新潮社、1957年
  • 『近代麗人伝』光書房、1959年

翻訳

  • 『医学上より見たる酒精飲料の利害』ジョセフ・ストーク、日本禁酒同盟会、1913年
  • 『露西亜文芸の主潮』ピョートル・クロポートキン、春陽堂、1917年
  • 『ルーヂン』イワン・ツルゲエネフ、新潮社、1918年
  • 『その前夜』イワン・ツルゲエネフ、新潮社、1918年
  • 秘密の庭フランシス・ホジソン・バーネツト、世界少年文学名作集、家庭読物刊行会、1919年
  • ドストイェーフスキー全集 第1巻『貧しき人々・プロハルチン君・死の家よりの覚書』ドストイヱフスキー全集刊行会、1920年
  • 『処女地』ツルゲエネフ、新潮社、1920年
  • 『湯の町の恋・モントリオル』モウパッサン全集 第7巻、天佑社、1921年
  • カルメンプロスペル・メリメ、文芸日本社、1925年(世界文芸映画傑作集)
  • ドストイェフスキイ全集 第3巻『死の家の記録』ドストエフスキー全集刊行会、1925年
  • 『亜米利加の悲劇』テオドル・ドライサー、大衆公論社、1930年
  • 『人生論』レフ・トルストイ、新潮社(新潮文庫)1933年
  • 『アメリカの悲劇』シオドラ・ドライサア、現代アメリカ小説全集、三笠書房、1940年
  • 『わが滑空物語』ロベルト・クロンフェルト、東晃社、1943年

脚注

  1. ^ 抜群の執筆力、代表作「南国太平記」『中外商業新報』昭和9年9月25日(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p484 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)



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