現行算定法の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 16:26 UTC 版)
現在、日本を含む一部の国等において費用便益分析による評価法が政府等の基準として定められているが、いずれも、私的費用便益分析からこれが導かれた際に不適切な処理がなされた結果、財務的効率の要素を部分的に残しており、真の意味での経済的効率を評価するものとはなっていない。このために、より長寿命の施設を提供する公的事業ほど相対的に不利に評価されるほか、基準に則って事業効率の向上に努めれば逆に経済的効率を低下させることとなり兼ねない。これらのことは資源浪費や地球環境悪化にもつながる。早急に真の意味での経済的効率に基づく評価法に改める必要がある。 自然環境や環境財など正確な費用換算が難しいものは、費用便益分析が難しい。ロシアの例では、火災発生時に周囲に民家などが無く費用対効果が見込めない場合は、積極的な消火活動をせずに自然鎮火を待つこととなるが、2019年にシベリアで発生した森林火災では、放置されたまま延焼区域が拡大を続け300万ha以上に達し、自然環境が大きく損なわれる結果となっている。
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