現在の知見から
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/27 03:41 UTC 版)
偽体腔動物については、体腔に関わる進化に関して、無体腔から偽体腔の段階を経て真体腔へ進化したという考え方が主にヘッケルの説を支持する立場から主張されてきた。その偽体腔段階をまとめたのがこの群だとの見方もできる。この見方を元にすれば、偽体腔を持つ動物をまとめて分類群とすることは、ホイッタカーの五界説において原生生物を認めるのと同じような判断であり、その意味では妥当である。だが同時にこれは、祖先的形質を持って分類群をまとめる操作であり、単系統性を重視する立場からは問題のあるやり方である。 現在の分類学では上記の六群の他に、後に発見されたものでこれらに近縁なものとしては微顎類と胴甲動物がある。また、先口動物全体を大きく分ける系統として冠輪動物と脱皮動物という二つを認めている。これらの群の内、前者には腹毛動物・微顎動物・輪形動物と鉤頭動物が、後者には線形動物・類線形動物・胴甲動物・動吻動物・鰓曳動物が所属することになっており、ほぼまっぷたつになっている。この説に立つと、体腔の進化の系統は大きく二つあり、偽体腔は二つの群で独立に生じたと考えられる。 ただし、上記のような体腔の進化についての考え方を根本から否定する説もある。偽体腔動物の特徴には子孫的な特徴が多々見られ、むしろ真体腔動物から体制が退化するような形で出現したものとの判断である。 いずれせよ、袋形動物の多系統性は広く認められるところであり、支持されることのない分類群となっている。
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