現在の実施
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 10:20 UTC 版)
まれに誤警告はあるものの、操縦士は「すべてのTCASメッセージを本物の警報として、優先的に即刻対応せよ」と厳格に命じられている。 TCASよりも更に優先されるのは、対地接近警報装置(GPWS)の警報・失速警報およびウインドシア警報のみである。 FAAやその他ほとんどの国の機関では、TCAS RAと航空交通管制(ATC) の指示が食い違う場合には、常にTCAS RAが優先する、と規則に定められている。これは仮にある航空機がTCAS RAに従い、別の機がそれに反してATCの指示に従うと、2001年1月31日に静岡県(駿河湾)上空で発生した日本航空機駿河湾上空ニアミス事故や、2002年7月1日にドイツで発生したユーバーリンゲン空中衝突事故のような空中衝突を起こしてしまう可能性があるからである。 ユーバーリンゲンでの事故では、双方の航空機にTCAS IIが搭載され正常に動作していたが、1機はTCASの指示に従い、もう1機はTCASを無視してATC に従ったために致命的な衝突が起き、墜落に至っている。 小型機に搭載義務はないが、超軽量ジェット機や単発レシプロ機の高級モデルを中心にグラスコックピットが普及しており、標準装備となった機種も増えている。
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