猪王山森右エ門とは? わかりやすく解説

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猪王山森右エ門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/17 12:57 UTC 版)

猪王山 森右エ門(いおうざん もりえもん、猪王山森右衛門、1815年文化12年) - 1872年5月31日(明治5年4月25日))は、江戸時代大相撲力士。本名は加藤勝四郎。最高位は大関(歴代大関としての代数は116代)。所属部屋は伊勢ノ海部屋、のち関ノ戸部屋(更に式守伊之助部屋に移籍したという説もあるがはっきりしない)。出身地は陸奥国の中で、現在の宮城県石巻市(旧・桃生郡河北町)に相当する場所である。

来歴

1839年(天保10年)冬場所(11月)幕下付け出しで入門、当初は國見山勝四郎の四股名で、仙台藩の抱えであった。1845年弘化2年)冬場所(11月)達ヶ関森右エ門と改名し、翌1846年(弘化3年)春場所(3月)入幕。同年冬場所(11月)、因州藩の所望により、当時珍重されていたウグイスと交換で同藩の抱えとなり、猪王山森右エ門と改名した。入幕後も好成績を重ねてどんどん昇進していき、1856年安政3年)冬場所(11月)に小柳が引退したことに伴い大関に昇進した。希代の酒豪で、本場所の土俵に上がる時にはいつも酒気を帯びていたという。仕切りは無造作、相手に十分差させておいて上手を引き、出てくるところをかまわず寄るか、浴びせ倒すのが得意で、「上手大関」の異名を取った。1858年(安政5年)春場所(正月)に負け越したのを最後に、同年冬場所(11月)より大関から関脇に陥落し、1860年(安政7年)春場所(2月)を最後に引退し、年寄とならずに角界を去った。

成績

  • 番付在位場所数:35場所
  • 通算成績:123勝54敗49休22分11預3無(二段目10枚目以上)
  • 幕内在位:27場所
  • 幕内成績:111勝48敗49休21分11預3無

場所別成績

猪王山 森右エ門
春場所 冬場所
1839年 x 幕下付出
 
1840年 西幕下11枚目
 
西幕下10枚目
0–0 
1841年 x x
1842年 x 幕下
[1] 
1843年 西幕下16枚目
 
東幕下12枚目
 
1844年 東幕下12枚目
 
東幕下13枚目
 
1845年 東幕下10枚目
6–3 
東幕下筆頭
6–3
1分
 
1846年 東前頭8枚目
5–3–2 
西前頭9枚目
4–2–2
2預
 
1847年 西前頭8枚目
4–2–4 
西前頭4枚目
4–2–2
1分1無
 
1848年 西前頭3枚目
6–2–1
1分
 
西前頭3枚目
3–2–4
1預
 
1849年 西前頭2枚目
5–1–3
1預
 
西前頭筆頭
4–2–3
1分
 
1850年 東前頭筆頭
3–1–2
3分1預
 
東小結
7–0–1
2分
 
1851年 東小結
3–0–1
1分
 
東小結
3–2–4
1分
 
1852年 東小結
7–1–1
1分
 
東関脇
6–1–1
1預1無
 
1853年 東関脇
6–1–2
1無
 
東関脇
4–1–3
1分1預
 
1854年 東関脇
2–4–3
1分
 
東関脇
6–2–1
1預
 
1855年 東関脇

興行中止
 
x
1856年 東関脇
3–3–2
2預
 
東大関
5–2–2
1分
 
1857年 東大関
6–0
1分1預
 
東大関
6–2–1
1分
 
1858年 東大関
3–4–1
2分
 
東関脇

興行中止
 
1859年 x 東関脇
4–3–2
1分
 
1860年 東関脇
引退
2–5–1
2分
x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)
  • 当時は十両の地位が存在せず、幕内のすぐ下が幕下であった。番付表の上から二段目であるため、現代ではこの当時の幕下は、十両創設後現代までの十両・幕下と区別して二段目とも呼ぶ。
  • 二段目11枚目以下の地位は小島貞二コレクションの番付実物画像による。

改名歴

  • 國見山 勝四郎 - 1839年11月場所 - 1845年3月場所
  • 達ヶ関 森右エ門 - 1845年11月場所 - 1846年3月場所
  • 猪王山 森右エ門 - 1846年11月場所 - 1860年2月場所

出典

  • 酒井忠正『日本相撲史』上巻
  • 「相撲」編集部編 編『大相撲人物大事典』ベースボールマガジン社、2001年。

脚注

  1. ^ 番付外。

関連項目

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