犯罪親和性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 11:23 UTC 版)
社会学者の井出草平は、元家裁調査官の藤川洋子らの家庭裁判所に送致される少年犯罪の中でアスペルガー症候群が占める割合を調べたデータと、DSM-5に掲載されている有病率を基にして、アスペルガー症候群の犯罪親和性を求めた。それによるとアスペルガー症候群の犯罪親和性は5.6倍で、ADHDの1.1倍や知的障害の2.2倍に比べて高いことがわかった。また、井出は家庭裁判所の医務室技官だった児童精神科医の崎濱盛三による調査を利用して同様にして、アスペルガー症候群の犯罪親和性を求めた。その結果、アスペルガー症候群の確診での犯罪親和性は12.6倍、疑診も含めると28.6倍となった。 諸外国では特別病院の入所者を対象とした調査がなされている。スラッグらのイギリスの特別病院の入所者を対象にした調査からは犯罪親和性は2.8~3.6倍と導かれ、イギリスのヘアの調査からもほぼ同様の値となる。さらにスウェーデンの特別病院の入所者を対象にした調査でも、アスペルガー症候群の数値は類似したものとなっている。スウェーデンの研究ではスウェーデンの犯罪の背景に少なくとも13%ほど広汎性発達障害が関係していると結論付けており、そのデータから犯罪親和性を求めると犯罪親和性は10倍以上あったことがわかった。
※この「犯罪親和性」の解説は、「アスペルガー症候群」の解説の一部です。
「犯罪親和性」を含む「アスペルガー症候群」の記事については、「アスペルガー症候群」の概要を参照ください。
- 犯罪親和性のページへのリンク