犠牲者自己の認知
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/25 14:24 UTC 版)
「ナラティブセラピー」の記事における「犠牲者自己の認知」の解説
患者は、はじめ自分が犠牲者であることを自覚していない場合が多い。外傷再演などの再帰的な行動様式は、そういった自覚の欠如が根底にある。 もっとも「逆は必ずしも真ならず」で、自覚をしたからといってすぐ再帰的な行動様式が改まるわけではなく、そこからの治療過程の方がむしろ長いわけであるが、犠牲者自己の認知が段階的にはじめに来ることを妨げない。 自覚がないのは、主に否認によるものである。これは、キューブラー=ロスの唱えた「受容のための五段階」説にも合致するもので、もともとキューブラー=ロスは「死」という人間にとって「不都合な真実」をいかに人間が受容していくかの過程において、「そんなはずはない」という否認が第一段階に来ることに着目したが、それは何も「死」に限らず、自分の家庭のなかで虐待が行なわれていること、自分に心的外傷があること、などすべての「不都合な真実」において言えることであると、理論を汎用していったところに近年の精神医学の大きな発展がある。
※この「犠牲者自己の認知」の解説は、「ナラティブセラピー」の解説の一部です。
「犠牲者自己の認知」を含む「ナラティブセラピー」の記事については、「ナラティブセラピー」の概要を参照ください。
- 犠牲者自己の認知のページへのリンク