熊谷圭知とは? わかりやすく解説

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熊谷圭知

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/21 10:58 UTC 版)

熊谷 圭知(くまがい けいち、1954年 - )は、社会文化地理学、パプアニューギニアを中心としたオセアニア地域研究、ジェンダー/男性性研究などを専門とする日本地理学者[1]お茶の水女子大学名誉教授[2]

経歴

東京都目黒区緑が丘に生まれる[1]。父親は岩手県陸前高田、母親は盛岡市出身であった[1]。小学4年まで東京工業大学の官舎で育ち、小学5年から高校卒業まで名古屋市で過ごす[1]

一橋大学社会学部に学び、大学院に進み、社会地理学教室で[1]竹内啓一に師事して、入江敏夫や栗原尚子にも教えを受ける[3]。当時の社会地理学のゼミには、水岡不二雄、礒部啓三、山本健兒らも参加していた[4]。大学院在籍中にパプアニューギニア大学英語版への留学を経験し、以降、頻繁にパプアニューギニアへ渡航するようになった[1]。パプアニューギニアにおいては、地域研究と開発実践の領域にまたがる活動を重ねた[5]

1982年[1]博士課程を1年で中退して九州大学文学部助手となり[4]1985年阪南大学に転じ、1992年お茶の水女子大学の教員となった[1]。お茶の水女子大学では、その後の組織改編に際して、大学院開発・ジェンダー論コースや[6]、グローバル文化学環の設立にも積極的に関わった[7]

2011年東日本大震災以降は、大学関係者とともに、継続的に陸前高田に赴いた[1][5]

2017年、「移動・開発・場所とフィールドワーク パプアニューギニアの動態地誌」により、九州大学より博士(文学)を取得した[8]

2019年に刊行した『パプアニューギニアの「場所」の物語』は、2020年度の人文地理学会賞(学術図書部門)と日本地理学会賞(優秀著作部門)を受賞した[2]

2020年3月にお茶の水女子大学を定年退職したが、折からのコロナ禍のために最終講義などは中止され、2022年5月のホームカミングデイに、それに代わる講演会が実施された[9]

おもな著書

単著

  • パプアニューギニアの「場所」の物語 動態地誌とフィールドワーク、九州大学出版会、2019年
  • つながりの地理学 マイノリティと周縁からの地誌、古今書院、2022年

共編書

  • (塩田光喜との共編書)マタンギ・パシフィカ 太平洋島嶼国の政治・社会変動、日本貿易振興機構アジア経済研究所(研究双書)、1994年
  • (西川大二郎との共編書)第三世界を描く地誌 ローカルからグローバルへ、古今書院、2000年
  • (塩田光喜との共編書)都市の誕生 太平洋島嶼諸国の都市化と社会変容、日本貿易振興機構アジア経済研究所(研究双書)、2001年
  • 片山一道との共編書)朝倉世界地理講座 15: 大地と人間の物語 オセアニア、朝倉書店、2010年
  • 小林誠三浦徹との共編書)グローバル文化学 文化を越えた協働、法律文化社、2011年

共訳書

  • 内藤耕、葉倩瑋との共訳書)アリソン・マレー 著、ノーマネー、ノーハネー ジャカルタの女露天商と売春婦たち、木犀社、1994年

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 熊谷圭知「熊谷圭知 プロフィール」お茶の水女子大学。2024年9月20日閲覧
  2. ^ a b 熊谷圭知名誉教授の著書が各学会賞受賞」お茶の水女子大学、2021年4月12日。2024年9月20日閲覧
  3. ^ 熊谷ほか,2020,p.58
  4. ^ a b 熊谷ほか,2020,p.60
  5. ^ a b 教員紹介 熊谷圭知」お茶の水女子大学。2024年9月20日閲覧
  6. ^ 熊谷ほか,2020,p.61
  7. ^ 熊谷ほか,2020,p.64
  8. ^ 移動・開発・場所とフィールドワーク : パプアニューギニアの動態地誌」国立国会図書館。2024年9月20日閲覧
  9. ^ グロ文ホームカミングデイ2022開催(5/28)グロ文学会総会&熊谷圭知名誉教授講演会(延期となっていた最終講義)を開催します」お茶の水女子大学、2022年5月9日。2024年9月20日閲覧

参考文献

  • 熊谷圭知、水野勲、倉光ミナ子,久島桃代「【特別インタビュー】熊谷圭知教授とお茶大地理学教室」『お茶の水地理』第59巻、2020年、56-66頁、 CRID 1050003824959206016 

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