火山性地すべりに関する研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 09:04 UTC 版)
「ハリー・グリッケン」の記事における「火山性地すべりに関する研究」の解説
セント・ヘレンズ山の噴火を受け、アメリカ地質調査所の科学者はオレゴン州、ワシントン州、アイダホ州における火山観測を行うため、バンクーバーにデイヴィッド・A・ジョンストン・カスケード火山観測所を建設することを決定した。グリッケンはセント・ヘレンズ山に戻り火山の側面噴火の名残を分析したが、観測所の職員が既に山での研究を始めており、グリッケンが独自のアプローチで地質調査所を支援したいという申し出は、上級科学者たちから断られた。 その代わりとして、グリッケンは観測所に新しく着任してきた地滑りの専門家であるバリー・ボイトとの仕事に専念した。それが調査所で新たな仕事を得る動機となり、結果としてジョンストンの死による苦悶が和らげられることにも繋がった。グリッケンと地質学者のチームは、セント・ヘレンズ山本体のおよそ4分の1に相当する、山体の構造的崩壊から生じた岩屑原の地図を作成した。チームは広範囲にわたる綿密な分析を通じて、幅100ヤード (91 m) もある巨岩から単なる小石まで、それぞれの起源や移動の手段までをも解き明かした。 グリッケンはチームと共に火山の地滑りに関する研究を行い、「背の高い火山は崩壊しやすい」という理論を打ち立てた。細部まで注意が払われ、特徴的な結論を導き出したこの理論は学界から称賛を集め、世界中の火山で同様に堆積されたものを火山学者が特定できるようになった。グリッケンの論文に基づく所見が複数の短い記事で紹介され、グリッケンは背の高い火山に近いハンモック原の形成を説明できる地質学者の第一人者として認められるようになった。
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