漢字表の新字体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 16:29 UTC 版)
1949年に当用漢字字体表(1850字)が告示された際、標準字体として略字体が多く採用された。例えば、「學」「國」「體」は「学」「国」「体」となった。その後、1981年に常用漢字表(1945字)が告示され新たに加わった字にも略字体が採用されたものがあった。例えば、「罐」「螢」「龍」は「缶」「蛍」「竜」となった。なお、当用漢字字体表で標準字体であった「燈」が常用漢字表で「灯」に改められている。常用漢字表が告示された時点で、新字体に改められた旧字体(正字体)の総数は357字(「辨」「瓣」「辯」が「弁」に統合されたため、新字体の数としては355字)となった。 ところが略字体が採用された結果、同じ構成要素を共有する漢字が一方は表内字であるため略字体となり一方は表外字であるため略字体にならないという不統一が起こった。たとえば「賣」「續」「讀」は表内字であるため「売」「続」「読」と書かれるようになったが、「贖」「犢」「牘」は表外字であるため旁の部分を「売」にしない。これは新字体の指定を1字ごとに行うことによって必然的に生じる問題であるとされる。なお、中華人民共和国の簡体字では、元来1字ごとではなく構成要素単位の簡略化としていたが、通用規範漢字表の制定に伴い一対一対応の簡略化となり、新字体と同様に同表に収録されていない漢字の簡略化与否が不明確になった。
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