滝の川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/26 09:30 UTC 版)
| 滝の川 | |
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| 水系 | 滝の川 |
| 種別 | 準用河川 |
| 延長 | 3.5 km |
| 水源 | 神奈川県横浜市神奈川区片倉 |
| 水源の標高 | 30.2 m |
| 河口・合流先 | 横浜港 |
| 流路 | 神奈川県横浜市神奈川区 |
| 流域 | 神奈川県横浜市神奈川区 |
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滝の川(たきのがわ)は、神奈川県横浜市を流れる延長3.5キロメートルの準用河川である[1]。下流は旧東海道神奈川宿の中央部を流れ、横浜港へ注ぐ。河口から約1.2キロメートルより上流は暗渠化されているが、一部は緑道として面影を残している。
行政指定
1975年、河川法に基づく準用河川に指定[1]。横浜市長管理の準用河川延長は1,160メートル、流域面積は9.94平方キロメートル[2]。
流路
神奈川県横浜市神奈川区片倉の片倉うさぎ山公園に源を発して北上、片倉町駅から東進し、六角橋から東急東横線沿いに南下、同区二ツ谷町の国道1号線二ツ谷町交差点で右支川の反町川と合流する。JR橋梁からは開渠となり南下、同区山内町の横浜市中央卸売市場付近で横浜港へ注ぐ。
支川の反町川は、保土ケ谷区常盤台の横浜国立大学常盤台キャンパスに源を発し、神奈川区三ツ沢を東進する。西区北軽井沢に源を発して東進した無名の右支流と神奈川区反町の反町公園で合流し、二ツ谷交差点で本流と合流する。
水源
『新編武蔵風土記稿』では、水源は近郷の溜井6カ所とあり、他水源も2カ所記されている[3]。昭和初期地図[4]では、以下付近の源流と合流点が確認できる。
- 片倉うさぎ山公園(神奈川区片倉)
- 市立南神大寺小学校(神奈川区神大寺) - 宝秀寺南側(神奈川区六角橋)で合流。
- 宝秀寺北側(同) - 宝秀寺南側で合流。
- 神奈川大学横浜キャンパス(同) - 宝秀寺南側で合流。
- 反町川
- 横浜国立大学常盤台キャンパス(保土ケ谷区常盤台)
- 相鉄バス横浜営業所(保土ケ谷区峰沢町)- 滝ノ川あじさいロード(同)で合流。
- 保土ヶ谷インターチェンジ(保土ケ谷区岡沢町) - 三ツ沢歩道橋(同)で合流。
- 市立軽井沢中学校(西区北軽井沢) - 反町公園(神奈川区反町)で合流。
自然
暗渠化された流路の一部には緑道が設けられている。
- 反町川
歴史
神奈川宿権現山の山上から湧いた清水が滝となり川へ注いでいたため、川を「滝の川」と呼び、東海道に架かる橋を「滝の橋」と名付けたという(滝野川・滝ノ川・滝之川とも表記)。滝は1854年の安政地震で枯れたが、滝壺には河童が住んでいたと伝えられている。[8]
神奈川宿では、滝の橋を挟んで東の神奈川町と西の青木町にそれぞれ本陣が置かれていた[9]。
横浜開港当時は成仏寺門前(京急本線橋梁)まで船便が通じていたが、その後川幅も狭まり川底も埋まり、大雨の度に浸水が甚だく、1923年の関東大震災では護岸までも崩れたので、国執行の護岸工事が実施された[10]。現在は、JR橋梁より上流は、下水道整備と合わせて1984年までに暗渠化されている[11]。
橋梁
国道1号線二ツ谷町交差点の境橋下流開渠部より、個人宅の橋を除く。
(神奈川宿「滝の橋」跡)
ギャラリー
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片倉うさぎ山公園水源
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滝の川せせらぎ緑道上流平川橋
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滝の川せせらぎ緑道下流二ツ谷橋
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国道1号線反町公園前境橋
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最下流の万代橋から河口を望む
脚注と出典
- ^ a b 『よこはまの河川』(横浜市下水道河川局、2024年)
- ^ 『県土利用の現況及び推移』p96(神奈川県庁)
- ^ 『新編武蔵風土記稿』巻ノ70、橘樹郡之13「小机領」(内務省地理局 1884年)NDLJP:1214845/159
- ^ 横浜市三千分一地形図画像昭和初期(横浜市)2025年10月14日閲覧
- ^ 滝の川せせらぎ緑道(横浜市神奈川区)2025年10月14日閲覧
- ^ 滝ノ川あじさいロード(横浜市保土ケ谷土木事務所)2025年10月14日閲覧
- ^ 三ツ沢せせらぎ緑道(横浜市)2025年10月14日閲覧
- ^ 『横浜の伝説と口碑 下(神奈川区・鶴見区・保土ケ谷区)』滝の川の河童(横浜郷土史研究会、1930年)NDLJP:1456827/17
- ^ 神奈川宿歴史の道(横浜市、2012年)2025年10月14日閲覧
- ^ 『横浜市史稿 地理編』第5章 河川 第2節 諸流各節 10「滝ノ川」(横浜市役所、1932年)NDLJP:3432639/323
- ^ 横浜市河川維持管理計画 p23(横浜市下水道河川局、2025年)
- ^ 万代橋(神奈川県)2025年10月14日閲覧
関連項目
- 滝の川のページへのリンク