混合推論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/04 21:05 UTC 版)
次は、純粋な命令的推論の一例である。 P1. 皿を洗い、かつ部屋を片付けよ。 C1. ゆえに、部屋を片付けよ。 このケースでは、推論を構成するすべての文は命令文である。必ずしもすべての命令的推論がこの種のものではない。再び次を考えよう。 P1. 机からすべての本を取り去れ。 P2. 『算術の基礎』が机の上にある。 C1. ゆえに、『算術の基礎』を取り去れ。 この推論は、命令文と平叙文との両方で構成されており、命令文の結論をもつ、ということに注意せよ。 混合推論は論理学者にとって特別の興味を惹くものである。例えば、アンリ・ポアンカレは、一つの命令文も含まない前提の集合からは、命令文の結論を導くことはできない、と主張した。他方、R・M・ヘアは、前提の集合の中の平叙文のみからは導かれないような平叙文の結論は、その前提の集合から導くことはできないと主張した。これら主張の真偽について論理学者の間で意見の一致はなく、命令文と平叙文との混合推論は未だ盛んに論じられている。
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