浮気娘とは? わかりやすく解説

浮気娘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/11 13:33 UTC 版)

浮気娘
ビートルズ楽曲
収録アルバムラバー・ソウル
英語名Run for Your Life
リリース1965年12月3日
録音
ジャンル
時間2分18秒
レーベルパーロフォン
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ラバー・ソウル 収録曲
恋をするなら
(B-6)
浮気娘
(B-7)

浮気娘」(うわきむすめ、原題 : Run for Your Life)は、ビートルズの楽曲である。1965年に発売された6作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ラバー・ソウル』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、主にジョン・レノンによって書かれた楽曲。作者であるレノンは、本作について「ビートルズ時代で最も嫌いな曲」と語っている。後にナンシー・シナトラゲイリー・ルイス&ザ・プレイボーイズらによってカバーされた。

歌詞

歌詞は、彼女を「自分の所有物」と捉える嫉妬深い男性の心情を主題としたもので、冒頭の「I'd rather see you dead little girl, than to be with another man(他の男に取られるくらいなら、死んでくれた方がマシさ)」というフレーズは、エルヴィス・プレスリーの初期の楽曲「ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス」から引用したものである[3][4][5]。歌詞についてレノンは、1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、「プレスリーの曲から歌詞を拝借した。『I'd rather see you dead little girl, than to be with another man(他の男といっしょにいる君を見るくらいなら、君の死んだ姿を見たほうがいいよ、ぼくのかわい娘ちゃん)』というラインはプレスリーが歌ってた古いブルースの一節だよ」と語っている[6][7]

レノンは、ビートルズ解散後の1971年に嫉妬深い自身の性格を詫びる歌詞が付けられた楽曲「ジェラス・ガイ」をソロ名義で発表した。

レコーディング

「浮気娘」のレコーディングは、1965年10月12日にEMIレコーディング・スタジオで行われた。この日はアルバム『ラバー・ソウル』のためのレコーディング・セッションの初日にあたり、本作は同セッションで最初にレコーディングされた楽曲となり、同日に「ノルウェーの森」のレコーディングも行われた[8]

本作は、ブルースの要素を取り入れた6小節のギターのデュエットや、ヴァースとリフレインで構成されている[4]。リフレイン部分は3声コーラスとなっており、これを取り入れた他の『ラバー・ソウル』収録曲と同様にマッカートニーが高音部を歌っている[4]

リリース・評価

「浮気娘」は、1965年12月3日にパーロフォンより発売されたオリジナル・アルバム『ラバー・ソウル』を締めくくる楽曲として収録された[4]。レノンは1970年の『ローリング・ストーン』誌のインタビューで「『浮気娘』を好きだったことはない。途中で作るのをやめてしまった曲だから[5]」と語っていて、1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューではジョージ・ハリスンのお気に入りの楽曲の1つであったことも明かしている[7]

音楽評論家のイアン・マクドナルド英語版は、本作におけるボーカルを否定的に見ていて、ギターの演奏について「ところどころ音を外れていて、同様に粗いが、鋭くもシンプルなブルース調のソロは、ハリスンではなくレノン自身が弾いていることを示唆している」と評している[9] 。『オールミュージック』のトーマス・ワードは、「間違いなく『ラバー・ソウル』で最も弱い」「レノン=マッカートニーの全作品の中で劣っている楽曲」とし、歌詞については「古くさい」、メロディについては「当たり障りがなくつまらない」と批判している。また、レノンのボーカルとハリスンのギター・パートを称賛する一方で、「ビートルズの最も不要な楽曲で救いようがない」と評している[10]

クレジット

※出典[9]

カバー・バージョン

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ Hamelman, Steven L (2004). But is it Garbage?: On Rock and Trash. University of Georgia Press. p. 11. ISBN 0-8203-2587-2 
  2. ^ Terence John O'Grady (1975). The Music of the Beatles from 1962 to Sergeant Peper's Lonely Hearts Club Band. University of Wisconsin.. p. 283. https://books.google.com/books?id=rC5LAAAAYAAJ 
  3. ^ Wenner, Jann (1972). Lennon Remembers: The "Rolling Stones" Interviews with John Lennon and Yoko Ono. Harmondsworth, England: Penguin. p. 128. ISBN 0-9007-3510-4 
  4. ^ a b c d Everett 1999, p. 312.
  5. ^ a b NME Japan 2019.
  6. ^ 『ジョン・レノンPlayboyインタビュー』集英社、1981年、175頁。ASIN B000J80BKM 
  7. ^ a b Sheff 1981.
  8. ^ Everett 1999, p. 308.
  9. ^ a b MacDonald 2005, p. 162.
  10. ^ Ward, Thomas. Run For Your Life - The Beatles | Song Info - オールミュージック. 2020年10月27日閲覧。
  11. ^ Unterberger, Richie. Boots - Nancy Sinatra | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月27日閲覧。
  12. ^ Eder, Bruce. She's Just My Style - Gary Lewis & the Playboys | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月27日閲覧。
  13. ^ Ward, Thomas. And I Know You Wanna Dance - Johnny Rivers | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月27日閲覧。
  14. ^ This Bird Has Flown - Various Artists | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月27日閲覧。

参考文献

外部リンク


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