津田武左衛門とは? わかりやすく解説

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津田武左衛門

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/16 03:32 UTC 版)

 
津田 武左衛門
時代 江戸時代前期
生誕 正保3年(1646年
死没 享保7年(1722年)8月28日
別名 直勝(
孫七(幼名)
柳生与総右衛門
志貴与三右衛門
戒名 廊昭院潔山宗英居士
墓所 四天王寺
幕府 江戸幕府
主君 藤堂高虎
津藩
氏族 柳生氏
父母 福持孫兵衛
柳生源太夫三秀(養父)
津田道之助(養父)
養子:織之進(義武太夫)、勝辰(源太夫)
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津田 武左衛門(つだ ぶざえもん)は、江戸時代前期の剣術家。直勝(なおかつ)。柳生十兵衛の弟子で、津藩の剣術指南役を務めた。初め新陰流の呼称を柳生家に禁止されていたが、藩主藤堂高久高睦らの仲介により、柳生備前守俊方から許可を得た。

経歴

正保3年(1646年)、福持孫兵衛の子として生まれる。幼名は孫七(のち与総右衛門)。柳生源太夫三秀に子供がなく、その跡を継ぐため養子となる。源太夫の指導を受け、当時柳生家の中でも、終に柳生につづく者なく名人の名をあげた、とある。小太刀では柳生家随一の名手で、指をはねるのが得意であったという。

知行100石で柳生宗矩の家臣であった源太夫は、のち200石に加増され、杖師玄斎と世を忍ぶ仮の名を名乗る。柳生宗冬の代になってさらに300石に加増となる。一方、源太夫の父・柳生喜七郎宗直は、小松源太夫を養女美和の養子婿とし、柳生姓を名乗らせ、宗矩の推挙により、津藩に仕えさせる。

寛文4年(1664年)6月14日、玄斎が没する。跡目に関し、禄高が減俸に成ったら跡目は継がなくてよいと遺言する。与総右衛門は、減俸に対し柳生を去り浪人する。これに宗冬は激怒し、理由を尋ねられると、「病身ニ̪而御奉公相努メ難ク御座候故。跡目仰付被候上ニ而ハ御請ヲ申上難存奉。御機嫌之程ハ恐入奉候得ドモ、不得已立去申候段申上、百日余リモ遠慮仕罷有、御免之上病気養生仕ル。」とし、柳生姓を改め志貴与三右衛門と名乗る。その後、柳生家に戻り、わずかな扶持で奉公する。

延宝3年(1677年)12月、玄斎の弟、柳生吉兵衛宗房が跡目を継ぎ、柳生喜七郎頼房と改名する(元禄5年(1692年)8月没)。

柳生宗在の代になって、野州宇都宮から江戸への帰路、牽馬本陣にて騒動があった。その際、志貴与総右衛門、立ち塞ぎてこれを取り鎮め、遠近その勇気を称す、と『玉栄捨遺』に記されている。このように、武芸に秀でていたことは明らかである。

天和2年(1682年)、禄高について変化がなく、柳生家を去り浪人し、津にて剣術指南をすすめられ道場を開き、自分工夫の裁組を指南する。

貞享4年(1687年)には、藤堂仁右衛門、藤堂采女、その他にも小身の藩士など門弟多数を抱えている。

元禄3年(1690年)7月、3代藩主藤堂高久によって、津附関口流柔術指南役の津田道之助の養子となり、津田武左衛門と改名し、300石を拝領して津藩に仕える。

元禄16年(1703年)、4代藩主藤堂高睦による再三の頼みにより、柳生備前守俊方より許可を得て、裁組を止め新陰流と改める。新陰流兵法指南役として500石で召し抱えられる。

正徳2年(1712年)、板倉周防守家中の設楽八郎左衛門の次男・織之進を婿養子とし、織之進義武太夫と改名させる。義武太夫は部屋住で60俵5人扶持、御兵法申上として江戸勤めとなるが、翌年病気で帰藩し、難病のため離縁された。

享保元年(1716年)、東照宮百年忌法要を行う。

享保3年(1718年)、山城和束の郷士・上田左太夫安真の三男・六四郎を婿養子とし、後に源太夫勝辰と改める(宝暦8年(1758年)10月23日没、享年60)。

享保7年(1722年)8月28日没。享年86。勝辰が跡目を相続して師役を拝命、禄300石を賜わる。

武左衛門は養父に強い恩を感じており、養父の遺言とはいえ絶家したことを申し訳なく思っていた。そのため自身の遺言は、藤堂公のはからいで津田家の養子として津藩に仕えた自分1代は津田を名乗るが、実家が柳生家と縁のある家柄である勝辰に、柳生姓を本家より許し受けるように、と残した。それ以来、勝辰から3代にわたり、これ実現させるべく努めたものの、実現はしなかった。

子孫は代々剣術指南役を務めた。

参考文献

  • 『家系並流儀之覚書』(寛政8年)津田三貴
  • 『玉栄捨遺』
  • 村林正美「藤堂藩の新陰流兵法」『武道学研究』第19巻、第2号、7-8頁、1986年。doi:10.11214/budo1968.19.2_7ISSN 0287-9700 

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