(開領域の)波動伝播の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 10:04 UTC 版)
「境界要素法」の記事における「(開領域の)波動伝播の問題」の解説
波動伝搬問題とは、対象とする領域内で物理量の擾乱が「波動」として有限な速さで伝播していく問題であり、その多くは開領域の問題(領域に無限遠を含む問題)または半無限領域の問題として定義されることが多い。境界要素法では、開領域の問題をそのまま取り扱うことができ、特に波動問題では、無限遠での波動の放射が近似処理なしに表現できる。有限差分法や有限要素法では動的応答の観測点から十分離れたところに仮想的に境界を設け、そこでは波動の放射を表現するような近似的な取り扱いが必要となる。そのような点から、境界要素法は地盤振動解析や地震波の伝播解析、音響問題の解析、電磁場解析などで用いられることが多い。ただし、閉領域を対象とした動的問題(振動問題など)においては、有限要素解析の場合のようなモード解析ができない上、有限要素法と比べて計算時間を要することから、あまり多用されないようである。
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