氷の火山の観測例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/04 15:32 UTC 版)
氷の火山の存在を人類が初めて知ったのは、1989年にボイジャー2号が海王星の衛星の1つ、トリトンの近傍を通過した時である。 その後、2005年11月27日に、無人土星探査機カッシーニによって、土星の衛星の1つであるエンケラドゥスの南極付近において、間欠泉のように噴出を繰り返す氷の火山が撮影された。さらに、これは直接撮影されたわけではなく、あくまで間接的な証拠があるに過ぎないが、太陽系に属する他のその表面が主に氷でできていると考えられている衛星(例えば、木星の衛星のエウロパやガニメデ、土星の衛星のタイタン、天王星の衛星のミランダ)においても、氷の火山が活動しただろうと考えられている。なお、土星の衛星の1つタイタンは、大気を持つ衛星として知られているが、この大気にはメタンが含まれていることも知られている。タイタンに存在すると見られている氷の火山は、その大気にメタンを供給しているのではないかという仮説も存在する。 2007年、ジェミニ天文台において、冥王星の衛星のカロンの表面に、水の氷とアンモニアのハイドレート(アンモニアが閉じ込められた氷のようなもの)からなる斑点が確認された。 このことだけではカロンに氷の火山が存在する証拠にはならないが、カロンにも氷の火山や氷の間欠泉のようなものが存在する可能性がある。
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