水蒸気・酸素・有機化合物の存在
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「HD 189733 b」の記事における「水蒸気・酸素・有機化合物の存在」の解説
2007年7月11日、Giovanna Tinetti が率いる研究チームはスピッツァー宇宙望遠鏡を用いて行ったHD 189733 bの観測で、大気中に大量の水蒸気が存在していることを示す確固たる証拠があると結論付ける研究結果を発表した。ハッブル宇宙望遠鏡によって行われた追跡観測では、HD 189733 bの大気から水蒸気、中性酸素、そして有機化合物であるメタンの存在が確認され、その後に行われた超大型望遠鏡VLTによる観測では一酸化炭素の存在も確認された。惑星の温度が低くても約700 ℃もあるため、この環境下ではメタンは水と反応して一酸化炭素に置き換えられるはずだが、メタンがどのようにして大気中に存在しているのかは不明である。温度が低い領域にメタンを集中させるか、もしくは何らかの方法でメタンを直接追加させる未知の化学プロセスが作用しているからではないかという可能性も示唆されている。 2014年7月、NASAはHD 189733 bを含む太陽に似た恒星を公転している3つの太陽系外惑星の大気に含まれる水蒸気の量が予測よりも少なく、大気が非常に乾燥していることが判明したと発表した。
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