水晶の栓とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 趣味 > 短編小説作品名 > 水晶の栓の意味・解説 

水晶の栓

作者モーリス・ルブラン

収載図書アルセーヌ・ルパン
出版社講談社
刊行年月1987.6


水晶の栓

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/04 17:08 UTC 版)

水晶の栓
Le Bouchon de cristal
著者 モーリス・ルブラン
発行日 1912年
発行元 Éditions Pierre Lafitte
ジャンル 推理小説
フランス
言語 フランス語
前作813
次作ルパンの告白
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

水晶の栓(すいしょうのせん、Le bouchon de cristal)は、モーリス・ルブランアルセーヌ・ルパンシリーズの一篇。1912年発表。南洋一郎訳のポプラ社版は『古塔の地下牢』という訳題である。

概要

悪徳代議士ドーブレックの別荘に押し入ったルパンたちだが、計画が狂いルパンの部下ジルベールが逮捕されてしまう。世紀の怪盗の一味の逮捕に世間は沸き立ち、迅速に死刑が決定された。

ルパンはジルベールを救うため、ジルベールの老母クラリスとともに、混乱の発端となった謎のお宝「水晶の栓」をめぐり、ドーブレック、謎の美女、警察との4つ巴の闘争を開始する。

ルパンが「生涯最大の難事件」と評するフランス政界で実際にあったパナマ運河疑獄事件をもとにした、ルパンシリーズでも指折りと言われている名作。また悪徳代議士ドーブレックは、ルパンの出会った中でも最強の敵のうちの一人である。

本文で、1912年の物語である『813』よりもずっと前の事件と明記されている。作中の暦から、1906年から1907年にかけての物語と推測される(なお、パナマ運河疑獄事件は1892年に起きている)。

邦題は保篠龍緒以来の訳題である。正しくはクリスタルガラスと訳すべきであって「水晶」ではない。南訳は「硬質ガラス」としている。

翻案作品

『ルパン大盗伝』(『講談雑誌』1929年8月号-11月号)
横溝正史によるもので、「水晶の栓」という単語も出てくるが主要登場人物名と重要書類の隠し場所以外、設定・展開などに共通性がなく、「翻案」としても逸脱していて、実質横溝がキャラクターの名前を借りて書いたオリジナル作品状態になっている[1]
具体例を挙げると、まず出だしが「ルパンが道で親切にした老婆に財布をすられて追いかけるが、老婆はクラリス(若い女性)の変装でルパンに頼みたいことがあるのでこうしたことをやっておびき寄せたと弁解…」といったことから事件に巻き込まれ。この時はトラブルで依頼を聞けなかったものの、目的は「代議士ドーブレク(原文ママ)の恐喝からクラリスの弟のアルモンドやフランス内閣を助けてほしい、ドーブレクの持つ証拠を盗んでくれ。」というものだったと終盤で明かされる。
展開も四つ巴ではなくルパン、ドーブレク、警察の3勢力だけで、女性はクラリスぐらいしか出てこず、最初からルパンの味方である。

外部リンク

  1. ^ 横井司 編『横溝正史探偵小説選1』論創社、2008年。ISBN 978-4-8460-0723-2、p.538「解説」。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「水晶の栓」の関連用語

水晶の栓のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



水晶の栓のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの水晶の栓 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS