水平尾翼容積比と重心位置の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 15:56 UTC 版)
「模型航空機の安定」の記事における「水平尾翼容積比と重心位置の関係」の解説
一般的な翼型の風圧中心の移動は、揚力係数(CL)が小さくゼロの近いとき45%くらい、失速に近いとき25%くらいである。FF滞空競技機は、沈下が最少になるような釣り合いで飛行するので、CL値は最大CLに近く、風圧中心は25%より少し後になる。揚力尾翼でない模型機の重心位置は、一般に30%とか、前から1/3くらいとか言われている。揚力尾翼導入以来、重心位置の後退がはじまり、現在の「FF模型飛行機独特の重心位置」になった。それ以前は、重心位置が固定されていたから、水平尾翼面積(主翼面積に対する比率)も固定的で良かった。然るに、重心位置が後退していくと、主翼の風圧中心との距離が様々になり、それに対応すべく「水平尾翼容積比」と重心位置の関連が求められた。 この関係は、基本的には 必要な水平尾翼容積比=定数A+定数B×(重心位置%-25%) の形になる。 定数Aは、重心位置と主翼風圧中心が一致しているとき(実機・スケール機など)の安定を保つために必要な水平尾翼容積比で、ある安定水準を想定すれば一定になる。 定数Bは、重心が後退することによって不安定化の原因となる主翼のモーメントアームが長くなり、それによる不安定モーメントに対処するための追加要素である。これもある安定水準を想定すれば一定になり、追加する水平尾翼容積比は重心位置の後退距離に比例する。この関係を、グラフ(横軸:重心位置、縦軸:水平尾翼容積比)に表すと、右上がりの直線になり、想定する安定水準によって上下にシフトする。
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