水吸収との関わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/03 00:42 UTC 版)
原形質分離が起こっているとき、植物体を外側から見ると、しおれている状態である。柔らかいものでは、その形を保てずにしなびてしまう。これは、細胞壁そのものが力学的な強度を持って植物体を支えてはいるが、細胞質がそれを内部から圧迫することがそれを大きく補強しているからである。 通常の状態では、細胞質は細胞壁の内部に充満しているだけでなく、それを内部から押して圧力をかけている。植物は光合成など常に水を必要としているから、細胞質は外界よりも浸透圧が高い状態を保っており、水は中に入ってこようとする。しかし細胞壁は変形しにくいから、それを押し返すので、この力は膨圧として細胞壁を内部から支える力として働いている。つまり外界と細胞質の浸透圧の差が水の入ろうとする力で、膨圧はそれを押し返す力として働き、両者の差が実際の吸水力である。つまり、高張液に入れると細胞の吸水力は上がり、低張液に入れて、各細胞が緊張した状態を保ったときは、吸水力は下がるということが言える。
※この「水吸収との関わり」の解説は、「原形質分離」の解説の一部です。
「水吸収との関わり」を含む「原形質分離」の記事については、「原形質分離」の概要を参照ください。
- 水吸収との関わりのページへのリンク