母斑の医学的意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/28 22:33 UTC 版)
遺伝的または胎生的要因により、神経堤に生じた発生異常(異常増殖)が原因で、メラニン細胞にもシュワン細胞にも分化できなかった分化能力不充分な細胞細胞自体は異常はないが、ある特定の細胞数が通常の場合より多かったり少なくなったりする。なお、皮膚以外の他の器官にも母斑性病変が生じる場合があり、それを母斑症(ぼはんしょう)と呼ぶ。内部リンク参照のこと。 組織学的には 境界母斑 - 母斑細胞は表皮真皮接合部に限局している 真皮内母斑 - ほぼ完全に真皮に限局している 複合母斑 - 表皮真皮接合部および真皮内にメラニン細胞の細胞巣 に3分類される。 多くは真皮内母斑であるが、境界母斑からは高率に悪性黒色腫に変化するとされている。特に、有毛性で直径20cmを越える巨大な母斑細胞母斑は獣皮様母斑と呼ばれ、悪性黒色腫を発生しやすいとされている。 アメリカ合衆国でのコホート研究によれば、既知の乳癌危険因子で調整した上で、母斑数を層別化し乳癌相対リスクを求めた結果、母斑数が血漿ホルモン値を反映し、母斑数が多い女性の乳癌リスクは高かったとする報告がある。
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