死と覚悟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 21:10 UTC 版)
ハイデッガーは、現象学的本質直観によって「死」を実存論的に分析する。彼によれば、死は、交換不可能であり、しかもいつかは必ず訪れる確実なものであり、またいつ襲ってくるかも人は知り得ないという意味で無規定なものであると同時に、いったん死を意識し、切迫すると他人との交渉を厭うようになり、現に生きている人間には追い越せないような人間存在の最後の可能性である。 もっとも、現存在は、日常的平均的には、「ひと」に頽落し、死を隠蔽して、死への不安を疎外しているが、決意性は先駆的な可能性としての死への存在としてはじめて、責任存在でありうることを「根源的」に了解する。彼は、この先駆的決意性によって現れた時間性こそ「根源的な時間性」であると主張する。
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