歴史・誕生経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/10/02 09:44 UTC 版)
「インプリミトゥーラ」の記事における「歴史・誕生経緯」の解説
インプリミトゥーラは油絵具の誕生後に使用され始めた描法で混合技法の一つである。その目的は下地を有色にすることで、“白色を支持体上に吸収させずに有効に使用すること”、つまり白を“白色”だと解らせるためであった。その創始者は油彩画法を世界で初めて確立した、ファン・エイク兄弟だったとされている。 この技法がティツィアーノを始めとするヴェネツィア派の画家達に伝わると、彼らは赤褐色の暗いインプリミトゥーラを施して上層に明るい色を用いるようになった。しかし、赤褐色の絵具の主成分である、 酸化鉄(II)=Fe2O3 (赤褐色)は酸化作用により、 酸化鉄(III)=Fe3O4 (暗褐色)に変化してしまうため、上層の色に変色を起こすことがあった。 これを受けてルーベンスは主に灰色(木炭の粉末と鉛白を混合したもの)のインプリミトゥーラを施すことで変色をある程度抑えることに成功した。現代は使用される色に関係なく、下塗り層を全てインプリミトゥーラ、または単に下塗りと呼んでいる。 また、 15世紀は現代に比べると支持体の質が悪く色を均等に塗るのが困難だったため、これを改善する効果もあった。。
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