欧米の新聞小説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 07:13 UTC 版)
19世紀、小説の発表形式には最初から書籍として発表する場合、雑誌連載あるいは新聞連載で後に書籍とする場合、月刊分冊(monthly parts)の場合があった。 特にフランスでは新聞連載の小説は「ロマン・フィユトン」と呼ばれ大衆小説を担っていた。そのフランス初の新聞小説は1836年のオノレ・ド・バルザックの『老嬢』であるといわれている。 20世紀初頭、アメリカでは読者獲得をめぐる新聞社間での激しい競争がおこり、新聞小説を書く作家も有名人、知識人として新聞社が売り出すようになった。 新聞小説として連載された著名な作品には次のようなものがある。 チャールズ・ディケンズ『主イエスの生涯』(ディケンズ死後の1934年に複数紙で連載) エーリヒ・マリア・レマルク『西部戦線異状なし』(1928年、フォシッシェ・ツァイトゥング紙で連載) アーサー・コナン・ドイル『恐怖の谷』(1914年、ニューヨーク・トリビューン日曜版で連載) ヒュー・ロフティング『ドリトル先生』(1920年代初頭、ニューヨーク・トリビューン紙で連載) 20世紀初頭の新聞小説の浸透は、印刷技術の向上、識字率の上昇、新聞社間の競争との相乗効果でもたらされ、主に中流階級の読者層の文学的嗜好に大きな影響を及ぼしたとされる。
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