樽岸出土の石器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/29 14:31 UTC 版)
昭和29年に、市立函館博物館を中心とする調査団が寿都郡黒松内町に所在する樽岸遺跡を発掘調査した。調査団には市立函館博物館職員の他、北海道学芸大学(現北海道教育大学)河野広道教授や北海道大学大場利夫講師、明治大学杉原荘介教授などが参加した。 出土遺物は、すべて頁岩製の石器で、石刃技法による大形の石刃やエンド・スクレイパー、石核など、縄文時代の石器とは明らかに異なる石器類が出土し、土器は出土しなかった。 調査報告では後期旧石器時代の古い段階に編年されると考えられていたが、その後の研究の進展により、現在では後期旧石器時代後半の細石刃文化に属する石器群として認識されている。 樽岸遺跡の発掘調査は、北海道の旧石器時代研究の黎明期における記念すべきものであり、出土した石刃・剥片石器・船底形石器・石核・剥片など総数72点が、昭和32年に道有形文化財に指定された。
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