権利章典に対する反対
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/19 08:13 UTC 版)
「ザ・フェデラリスト」の記事における「権利章典に対する反対」の解説
『ザ・フェデラリスト』(特に第84篇)は後に権利章典となったものに対する反対論で著名である。憲法に権利章典を付け加えるというアイディアは当初書かれた時の憲法が具体的に人権の列挙あるいは保護を規定しておらず、むしろ政府の権限を挙げて、それ以外のものは州と人民に担保されるとしていた。アレクサンダー・ハミルトンは第84篇の著者であり、そのような人権の列挙が一度書かれてしまえば、人々が持つ権利は「挙げられているだけ」と解釈されてしまうことを恐れた。 しかし、ハミルトンの権利章典にたいする反対は普遍的なものではなかった。「ブルータス」という匿名で論文を出したロバート・イェーツはいわゆる反フェデラリスト第84篇の中でこの見解を披瀝し、そのような条項によって拘束されない政府は容易に専政に変わりうると主張した。トーマス・ジェファーソンのような権利章典の支持者達は、権利のリストが包括的であるということにはならないし、そう解釈されるべきではない、すなわちこれらの権利は人民が持っている重要な権利の例であるが、人民は他の権利も持ち得ると主張した。この考え方に付く人々は司法がこれらの権利を拡張的に解釈するという自信があった。この問題はアメリカ合衆国憲法修正第9条によって解消された。
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