榎本正樹による批評
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 09:07 UTC 版)
「美しいアナベル・リイ」の記事における「榎本正樹による批評」の解説
文芸評論家・榎本正樹は、本作は、『政治的無意識』の著者で文芸理論家のフレドリック・ジェイムソンの『宙返り』の書評によって示唆され、大江本人に方法論として意識化された「おかしな二人組(スウード・カップル)」の系譜の承継と新展開であるとする。本作には語り手「私」と「肥満した中年男」の息子・光の二人組、「私」と映画プロデューサー・木守の二人組、サクラと少女時代からの親友・柳夫人の二人組といろいろな二人組が登場すること、後半に「私」と木守の二人組が後景化して、サクラと「私」の妹・アサが前景化するのが物語上の構造であることを摘示したうえで、女性二人組と男性二人組の複合的な接合と交代は『おかしな二人組三部作』以後としての今後の大江文学を特徴づける重要な要素となっていくのではないか、と述べる
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