業績・思想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 00:04 UTC 版)
河田は家族制度研究に始まり、婦人問題、農業経済、食糧問題、経済原論など社会問題全般に及ぶ広範な領域に対し実際的な問題関心を抱き続けたが、主要な研究分野は農業問題研究、家族制度研究に2大別される。また社会政策学会に参加し、「個人人格の尊重」と「その社会生活上及び経済生活上の平等なる独立」を「社会問題の解決」に置く、主流派よりはやや左派的な立場をとった。その分析手法は新古典派経済学に基づくもので必ずしもマルクス主義的ではなかったが、自由主義的な立場では終生一貫していたといわれる。 各種政府委員を歴任する一方で社会的発言を盛んに行い、著書『婦人問題』は1910年9月30日に家族制度を破壊する恐れがあるとして文部省より発禁処分を受けている。また社会主義に対しても柔軟な立場をとり、評論集『何処へ往く』では集権的集産主義を提唱した。晩年の著作『国防経済概論』でも戦時政策に対する「経済の自己規律性」の制約を協調するなど、リベラルな態度を崩さなかった。
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