桐院家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/23 00:19 UTC 版)
桐院夕香(とういん ゆうか) / 霧舟(きりふね) 鈴子と春時の姉。没落華族の桐院家の長女。家の財政破綻にも長く気づかずお嬢様として着飾って育った。気位が高く、放蕩人である父も、妾腹である春時も嫌っていた。春時には暴言ばかり吐き、強い憎悪を抱かれるほどに悪辣な態度を取っていたが、鈴子に対しては優しい姉として接していた。 没落してからは遊郭に売り払われ、すぐに遊女として働かされるようになった。霧舟は遊女としての名。育った環境とは違いすぎる遊郭での生活に心を病み、同じように苦しんでいるほかの遊女たちに毒草の烏頭を飲ませ「楽にしてあげるために」殺していた。鈴子も成長したら客を取らされ自分と同じ苦しみを味わってしまうだろうと、鈴子にも烏頭を飲ませた後で投身自殺した。実際には鈴子は烏頭を事前にすり替えて飲んでおらず、夕香の自殺の決意を止められないのならば、せめて死の間際の夕香が安らかでいられるようにと、夕香の望み通りに死んだふりをしていただけだった。 桐院春彦(とういん はるひこ) 春時、夕香の父。華族の桐院家の当主であったが、受け継いだ資産を食いつぶし没落へと導いた。借金返済のために息子に男娼まがいのことをさせ、娘2人は遊郭へ売るなど親らしくない惨い行為の果てに、それでも借金を返しきれず首吊り自殺した。
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