栄養要求性変異株を用いる方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 19:21 UTC 版)
「アミノ酸発酵」の記事における「栄養要求性変異株を用いる方法」の解説
微生物菌体内では高等動植物の体内とはぼ同等の代謝調節機構が働いており、この調節機構を解除させることにより菌体構成成分およびその中間体の過剰生合成が可能になる。代謝調節機構を解除させる方法として大きく分けると、栄養要求性を付加させる方法、薬剤耐性を付加させる方法、菌体内生成物の膜透過性を変える方法などがある。栄養要求変異株を用いるアミノ酸の生成は次のようになっている。* グルタミン酸:Brevibacrerium thiogenitalis から得られたオレイン酸要求株は、ビオチン過剰存在下でもグルタミン酸を生産する。これはグルタミン酸生合成が活発になったというより、菌体細胞膜に変化が生じ菌体内で生成したグルタミン酸が透過しやすくなったと考えられる。* リジン:食品、飼料、医薬品などの用途に近年需要が増大しているリジンは、 Corynebacterium glutamicum のスレオニン+メチオニン(またはホモセリン)要求株により著量蓄積することが見出され、糖蜜を用いて工業化されている。 Brevibacterium flavum のスレオニン要求株もリジンを蓄積するが、さらにスレオニン感受性を付加させた変異株はグルコース、酢酸からそれぞれリジンを蓄積し、後者の場合は7.5g/dlもの蓄積濃度となっている。
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