果胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 22:44 UTC 版)
果胞は壺状の構造で、先端に口が開いている。雌しべはその底に着いていて、果胞の口から柱頭だけを伸ばす。受粉すれば果実は果胞の中で生長し、成熟したときには果胞はその基部で切り離され、果実を中に含んで散布される。果胞の口の部分が突き出した形になっている場合、それを嘴(くちばし)という。果胞は、その位置からは花被に由来するもののようにも見えるが、一部に果胞の内側から枝が伸びて花序を形成するものがあるので、花序の基部に生じる苞に由来するものと考えられている。 果胞は普通、膜状で果実にほぼ接する形になるが、湿地性のゴウソやミヤマシラスゲでは大きく膨らみ、海岸性のシオクグやコウボウシバではコルク質の分厚いものとなっている。これらは流水や海水による分散への適応かも知れない。
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