果胞内から小穂を出す例について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 02:23 UTC 版)
「ミヤマジュズスゲ」の記事における「果胞内から小穂を出す例について」の解説
本種では上記のように果胞の中から枝が伸びてその先端に小穂をつける例が知られる。このことは果胞の意味づけを考える上で重視される。果胞はスゲ属の雌花に於いて、花の構造である雌しべを包む壷状の構造で、その外側にある鱗片と共にスゲ属の雌小花を構成するものであるが、鱗片の内側、雌蘂の外側という位置から花被に由来するものと一見では思われがちである。しかし本種のように果胞の内側の雌花の基部から枝が出て新たな小穂を形成する例は、果胞が花のつく枝の基部にある構造であることを強く示唆する。近縁の群ではヒゲハリスゲ属では雌小花は背面が大きく裂けた鱗片状の構造に包まれ、その内側、雌小花の基部からは雄小花を複数(時に0)付けた枝が出る。この形は本種で果胞の中から雄小穂が出る姿と対応し、このことからこの前葉が口を閉じて果胞に変化したものであることがわかる。
※この「果胞内から小穂を出す例について」の解説は、「ミヤマジュズスゲ」の解説の一部です。
「果胞内から小穂を出す例について」を含む「ミヤマジュズスゲ」の記事については、「ミヤマジュズスゲ」の概要を参照ください。
- 果胞内から小穂を出す例についてのページへのリンク