林桂とは? わかりやすく解説

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林桂

林桂の俳句

いまだ序曲/鞄の中の/鏡の/宿曜
いもうとの平凡赦す謝肉祭
かの日かの浜昼顔の翳りかな
きさらぎの林檎に夜の浮力くる
この恋に生きなば麦の金の禾
ガラス器の藍色深く恋ひにけり
クレヨンの黄を麦秋のために折る
ボーイソプラノ以後の歳月月見草
今日のムギュー!/朝日の/ムギュー/木霊父さん
今は昔/父在り/母在り/蚕時雨あり
僕が主人公の童話を語る冬薔薇
初恋もカンブリア紀も遠くなる
制服に林檎を磨き飽かぬかな
受話器からしやぼんの如き母の声
右翼手は雲になりたき春の風
唄ふ唇が/夜空に/老いて/老いゆく世紀
土明かり朝の/綿蟲/昼の泣き虫
夜桜にひとりでゐると耳が散る
字童子沢の/蟹の/背渡る/赤光よ
学帽でさくらを散らす遊びせり
山河ひとつに父母ひとり花慈姑
放課後のポプラの幹を笑ひあふ
月光や海の匂ひの花田兄
桃に/続いて/山流れくる/どんぶらこ
水槽の海月の翳が顔にある
水芭蕉昼の銀河はみづいろに
水に濡れつつ/水に/水浮く/秋の暮
水より高きに/肉を/量りて/暮春かな
海に遠く/海に/向く坂/風しぐれ
焼野匂へり/遠く//性慾花のごとし
父母がゐて嬉しき昔よ大旦
真昼間の夏草のなか海へ行く
真昼間の/ 中也の/友の/短靴よ
筆の花/空の/十五歳を浦霞
純愛の友よ下宿にシャツを吊る
腹に/臍/赦して以後の/記憶術
自転車を落花のもとに集めけり
葉渡りの/風の/命を/産む茎茎立
薔薇園の/白鳥へ/舵/われら海賊
薔薇に優るセナの憂愁 無帽の日
薔薇の暗部の/父てふ/母てふ/開脚よ
藻の花も桃もやはらか妹よ
蟬も/蜻蛉も/乾いて生きる/風の暮
金箔師/鯉師の//深雪暮かな
銀製の蟬を/埋めて//父とは忘却
雪渡りせむとて生まれ出でたるに
雪降るや影を消しつつ父ひとり
風花は額の花よ母の國
鬼てふ/現の/涯が来てゐる/秋の暮
鳩も椿も/海も/真水も/濡れてゐる
 

林桂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/02 06:02 UTC 版)

林 桂(はやし けい、1953年4月8日 - )は、日本の俳人。本名・政美。

来歴

群馬県利根郡新治村(現みなかみ町)生まれ。群馬県立沼田高等学校を経て新潟大学法文学部卒。1983年から10年間群馬県立桐生高等学校にて、文芸部、俳句クラブの顧問を務め、教え子に、山口晃(画家・評論)、青木陽介、青木重治、木村徹、山田耕司、今泉康弘がいる。

中学時代より作句、高校時代、鈴木石夫指導の「歯車」[1]加藤楸邨主宰の「寒雷」に入会[1]高柳重信選の『俳句研究』50句競作に登場し[1]注目される。1978年、澤好摩夏石番矢らと「未定」創刊[1]。1998年、「吟遊」創刊に参加[1]。2001年、伊藤信吉、中島敏之、水野眞由美、佐藤清美らと「鬣TATEGAMI」創刊、代表同人となる[1]。2022年、句集『百花控帖』により第77回(2022年度)現代俳句協会賞を受賞[2]

創作では高柳重信が行った四行俳句のほか、詞(ことば)書き俳句などで俳句表現を追求。また「詩学」で長く俳壇時評を務めた。ほか「上毛ジュニア俳壇」選者、全国学生俳句大会審査員などを務めた。上毛ジュニア俳壇では、桂夏丸、外山一機、三木悠莉を見出した。現在、上毛俳壇(上毛新聞)選者[1]、口語詩句(佐々木泰樹育英会)選考委員。群馬県文学会議副会長。

主な著書

  • 第1句集「黄昏の薔薇」(静地社、1984年)
  • 第2句集「銅の時代」(牧羊社、1985年)
  • 第3句集「銀の蝉」(ふらんす堂、1994年)
  • 第4句集「風の國」(ふらんす堂、2004年)
  • 第5句集「はなのの絵本りょうの空」(風の花冠文庫、2013年)
  • 第6句集「ことのはひらひら」(ふらんす堂、2015年)
  • 第7句集「雪中父母」(風の花冠文庫、2015年)
  • 第8句集「動詞」(現代俳句協会、2017年)
  • 第9句集「百句控帖」(現代俳句協会、2021年、第77回現代俳句協会賞受賞[3]
  • 第1評論集「船長の行方」(書肆麒麟、1998年)
  • 第2評論集「群馬の俳句と俳句の群馬」(みやま文庫、2004年)
  • 第3評論集「俳句・彼方への現在」(詩学社、2005年)
  • 第4評論集「俳句此岸」(風の花冠文庫、2009年)

主な編著

脚注

参考文献

外部リンク




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