松重ポンプ所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 02:47 UTC 版)
松重閘門の中川運河側に隣接する形で建設されたポンプ所で、閘門の運用開始から5年後の1937年に完成し運用を開始した。 ポンプ所の設置目的は、第一には中川運河の水位調整である。中川運河は名古屋港(伊勢湾)の潮の干満による潮位変化の影響を受けるため、干潮時には運河水路の水位が低下しすぎて船舶の通行に影響が出る。一方で満潮時には水位が上がりすぎ、運河にかけられた橋梁に船舶が干渉するほか沿岸の浸水リスクが高まることとなる。このため松重ポンプ所により名古屋港の平均潮位よりやや高い水位となるよう調整が行われている。 また、中川運河より汲み上げられた水が堀川に放流されることにより、相対的に水質のよい中川運河の水により堀川の水質改善が図られることともなっている。ポンプ所の運転開始の翌年1938年には、堀川の松重閘門から少し上流に位置する岩井橋までの導水設備が造られ、そこから放流が行われるようになっている。中川運河の水を新堀川の記念橋まで導水管を敷設して同様に放流する計画もあったが、日中戦争激化による鉄鋼の不足により工事は打ち切りとなっている。
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