杜預の登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 02:30 UTC 版)
「杜預」も参照 『春秋経伝集解』の作者の杜預(222年 - 284年)は、字は元凱、諡は成。京兆尹杜陵県の人。魏・西晋に仕えた学者で、司馬昭の妹婿である。その親族には『左伝』に見識のある者が多く、祖父の杜畿は楽詳という『左伝』学者を育て、叔父の杜寛は政界に出ずに学問に励み『春秋左氏伝解』を制作した。杜預は楽詳から『左伝』の学を受けたとする説がある。こうした環境で育った杜預は、「左伝癖」を自称するほどの『左伝』愛好家となり、『春秋経伝集解』を執筆した。『春秋経伝集解』が完成したのは杜預の生涯の晩年に当たり、太康5年(284年)の杜預の死に近い頃であると考えられている。 杜預の作った『春秋経伝集解』は、先行の注釈の訓詁を集大成しつつ、『春秋』経文と『左伝』を対応させて両者を一体化させるとともに、春秋義例説を確立して「春秋学」としての『左伝』学を樹立した。杜預によって『左伝』が表章され、特に唐代以降は『春秋』といえば『左伝』、『左伝』といえば杜預注という地位を獲得した。
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