本能行動と進化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/05 02:10 UTC 版)
元来、本能行動は生得的に決まっていて、融通の利かないものだと考えられてきた。それは時にはあまりにもその目的にかなって巧みに行われる。ファーブルは、狩り蜂の行動の研究などを通じて、本能行動がもし少しでもずれればその昆虫の生活が成立しない、と思われる例を見た結果、進化はあり得ないとの結論に達した。しかし、その後の研究の蓄積は、同じ分野でも異なる結論を導いている。たとえば日本の岩田久二雄は様々な狩り蜂の習性をモデル化し、そこに一定の発展の系統の存在を示した。 また、最適化モデルや行動生態学の進歩にしたがって、必ずしも本能行動そのものも融通が利かないわけではないことが明らかになりつつある。同一個体群の中でも、行動のパターンが異なる個体が混じっていたり、ある行動がうまく行かない場合には別の方法を選ぶ場合がある(代替生活史戦略)ことなどが知られるようになってきた。
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