本源地について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 16:38 UTC 版)
鹿島神宮は要衝に位置しており、ヤマト政権の東国支配の拠点のため、かなり早い段階でその勢力下に入ったとされる。『常陸国風土記』によれば、鹿島神宮は「香島の天の大神」と記され、次の三社の総称であるという。 天の大神の社(あめのおおかみのやしろ) - 現在の鹿島神宮(本宮)。 坂戸の社(さかとのやしろ) - 現在の境外摂社坂戸神社。 沼尾の社(ぬまおのやしろ) - 現在の境外摂社沼尾神社。 このように古くは三社から成る神社であったとされ、『常陸国風土記』には景行天皇年間に舟3隻を奉献したという記述(御船祭起源説話)もある。 これら三社のうち、本源地を「天の大神の社」以外に取る説が古くより提唱されている。沼尾社を本源とする説によると、かつて付近にあった「沼尾池」を神として祀っていたと推測される。その根拠として、『常陸国風土記』で沼尾池を「天から流れてきた水がたまった沼」という表現があり、天から降った神であろうと見られている。これに対して坂戸社とする説の根拠には、『常陸国風土記』における「坂戸・沼尾」という書き順や、神社近くにあるべき古郡衙が坂戸社の鎮座する「山之上」に推定されることが挙げられる。この中で社名「坂戸」の意味について、「さか」を「境」と見て、「蝦夷地への境界・入り口」を意味するとの指摘がある。
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