木工用の鑿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 00:46 UTC 版)
木工用の鑿は、刃の付いた金属部分と木柄からなる。刃の付いた金属部分のうち、先端の太くなっている部分を日本では「穂(穂先)」、木柄とつながり細くなっている部分を「首」といい、首と柄とは口金(はかま)で固定されている。口金と刃部が一体となったものを袋式(ソケット式)といい、口金が付いた木柄に刃部を差し込むものを込み式(タンク式)という。欧米の鑿には、首と口金の間にレザーウォッシャーと呼ばれる革製の緩衝材が入ったものもある。叩き鑿には、木柄が割れないように、柄頭に環状の金属製の部品(「かつら」「冠」「下がり輪」などという)が取り付けられている。 鑿の刃は、断面形状から面取り(Beveled Edge)形、角打ち(Squared Edge)形、鎬形に大別される。日本や台湾では上面の軟鉄(地金)と下面の鋼が鍛接されたものが多いが、中国や欧米では全鋼のものが多い。日本では地金の面を「甲表」、鋼の面を「刃裏」と呼び、傾斜した面を「切れ刃」と呼ぶ。 木柄の木材は日本ではアカガシやシラカシが主で、欧米ではブナやツゲ,トネリコなどが使われる事が多い。アジアの鑿では、叩き鑿の場合は柄の中央が太く、突き鑿の場合は刃部に近い側が太く作られているが、欧米の木柄の形状はさらに多様である。
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