有縁性による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/03 09:55 UTC 版)
イディオムには、イディオム自身がもつ意味と構成要素の字面通りの意味とに何らかの関連性、すなわち有縁性(motivation)が認められる。 例えば「襟を正す」という表現は、「奮起する」を意味するイディオムとして用いられる一方で、「襟をきちんと直す」という文字通りの意味にもなり、両者の意味の間には関連性があり、有縁性は高いといえる。このように強い有縁性をもつイディオムを不完全イディオムと呼ぶ。対して「腹を立てる」という表現は、「腹」と「立てる」の原義との関係が不透明で、有縁性は稀薄である。このように明確な有縁性をもたないイディオムを完全イディオムと呼ぶ。また「さばをよむ(鯖を読む)」のように、そもそも文字通りには全く解釈不可能なイディオムも存在する。 有縁性の高いイディオムは、比喩の一種とみなされるものもある。比喩として用いられるイディオムは、「蚊の泣くよう」のような直喩的イディオムと、「盾をつく」のような隠喩的イディオム(metaphorical idiom)に分類することもできる。
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