暗黙の型宣言による伝統的・慣習上の変数命名規則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 08:19 UTC 版)
「FORTRAN 77の言語仕様」の記事における「暗黙の型宣言による伝統的・慣習上の変数命名規則」の解説
FORTRANのプログラムにおいては、とくに型宣言をしない場合、アルファベットI,J,K,L,M,Nのいずれかで始まる変数名で表される変数は整数型(integer)になり、その他のアルファベット(A~H, O~Z)で始まるものは実数型(real)になる。これが「暗黙の型宣言」といわれるFORTRANの文法上の規則である。なお、この命名規則についてBakusは『Iから始まる6文字に決まったのは、みんな添え字にI、J、Kをつかっていたので、(L、M、Nを)気前よく増やした。』と言っている。 FORTRANのプログラムでは、特にループ構造を表すDO構文におけるカウンター変数としてアルファベットI~Nの1文字の変数名が伝統的によく使用されており、プログラミングにおける慣習上の変数命名規則の一つとなっている。i, j,...の1文字変数をインデックス参照などに使われるループカウンタに使うことは、他の多くのプログラミング言語に伝搬したが、プログラミング言語における慣習としてはFORTRANに由来する(数学の総和などでもiを使う慣習があるので、プログラミング言語以外について含めたら、必ずしもFORTRANが元祖とは言い切れない)。 いくつかの観点から、変数には明示的な宣言が必要とされることもある。Fortran 90以降ではIMPLICIT NONE文により暗黙の型宣言を無効にできるようになった。コンパイラのエラーメッセージや警告により暗黙の型宣言に起因するバグの発見が容易になるので積極的に用いるべきである。
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