晩堂課
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/18 17:08 UTC 版)

晩堂課(ばんどうか、ギリシア語: Απόδειπνον, ロシア語: Повечерие, 英語: Compline)は、正教会の奉神礼(時課)の一つ。教会の夕食後の奉事であり、ギリシャ語名もロシア語名も「夕食後の奉事」との語義をもつ[1]。時課経に収録されている。
晩堂大課・晩堂小課
晩堂課には晩堂大課(ばんどうたいか、ギリシア語: Μέγα Απόδειπνον, ロシア語: Великое повечерие, 英語: Great Compline)と晩堂小課(ばんどうしょうか、ギリシア語: Μικρόν Απόδειπνον, ロシア語: Малое повечерие, 英語: Small Compline)とがある。晩堂小課は晩堂大課を縮小した短いものとなっている[2]。
晩堂大課は降誕祭・神現祭などの大祭や、大斎に行われる。晩堂大課では祈祷文「神は我等と偕にす」が歌われる。大斎第一週には、クリトの聖アンドレイの痛悔のカノンが挿入されて朗誦される[1]。
意義・内容
この奉事において正教徒は、夕食後、眠りに着く前に、知って犯した罪・知らないで犯した罪など、諸々の罪の赦しを神に求め痛悔し、神がこの眠りを人の罪ゆえに目覚めない眠り(死)とすることがないように願い、睡眠中に敵の誘惑から守るように霊と体への安息を求める。さらに昼間の労働で疲れた人の体にとって至福の時として、修士アンティオフの祈りにより、夜の平安と眠りを救世主に求める。また、一時的な眠りから死の眠りによる浮世との別れを想起し、憎悪をなくし、すべての人々のために祈ることも行われる[2]。
脚注
参考文献
- 晩堂課 - 意義説明と訓示。東方正教会 - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)より(長司祭長屋房夫によるページ)。
- トマス・ホプコ著・イオアン小野貞治訳『正教入門シリーズ2 奉神礼』西日本主教区(日本正教会)
- ミハイル・ソコロフ著、木村伊薩阿克訳『正教奉神礼』日本正教会(明治24年3月)
外部リンク
- ΜΙΚΡΟΝ ΑΠΟΔΕΙΠΝΟΝ - ギリシャ語版晩堂小課。
- ΜΕΓΑ ΑΠΟΔΕΙΠΝΟΝ - ギリシャ語版晩堂大課。
- ВЕЛИКОЕ ПОВЕЧЕРИЕ - 教会スラヴ語版晩堂大課。
晩堂課
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/09 21:15 UTC 版)
詳細は「晩堂課」を参照 英語: Compline 「晩堂大課」と「晩堂小課」がある。八調経を用いる通常の平日にも晩堂課は設けられているが、教区では主に大斎期に行なう。祭日によっては前晩祷が晩堂大課から始める徹夜祷のこともある。その場合は晩堂大課の最後にリティヤが行われる。「晩堂小課」は「晩堂大課」を短縮した形と言えなくもないが、順序の中で信経を誦読する位置が異なるなど、若干の融通がある。 訳語「晩堂課」の「堂」の字は、修道院に於いては晩堂課が食後に行われる事から、「食堂」の意味を以て採用された。
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