旧鈔本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 01:18 UTC 版)
日本では『白氏文集』が伝えられて以来、よく愛読されたため、遣唐使によって唐から齎された鈔本(手書き本)を書写して受け継いだ、いわゆる旧鈔本が現在までに多数残っている。『文集抄』、『管見抄』、神田本(巻3・4 新楽府 京都国立博物館蔵)、そして金沢文庫本などがよく知られるところである。 これら日本に現存する旧鈔本は抄録本であったり、一部のみの残巻であるが、中国においては「先詩後筆本」の発生や、宋代以降に刊本として発刊する際の校訂作業に主観的な傾向があり、大幅な改変を加えるなどの行為がおこなわれたのに対し、日本においては、訓点などを施すものの、原則的に唐代のものが伝来されたままの内容を保っている(無論、書写間違いなどは存在する)ため、可能な限り参照すべきである。 中国には旧鈔本は残存せず、ペリオ将来の敦煌文献(フランス国立図書館蔵)の『白香山詩集』残巻が、中国に残っていたほぼ唯一の旧鈔本である。
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