日本語の前鼻音化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 03:02 UTC 版)
日本語のいくつかの方言には前鼻音化閉鎖音が見られる。有名なのは東北方言であり、標準語の語中の濁音に規則的に前鼻音化閉鎖音が対応する(ただしガ行では前鼻音化子音ではなく鼻音[ŋ]が出現する)。[maⁿdo](窓)、[taᵐbi](旅)など。 高知方言ではガ行・ダ行の濁音にのみ前鼻音化閉鎖音が対応する。[kaᵑɡami](鏡)、[eⁿda](枝)など。ただし高年層にしか前鼻音化子音は残っていない。 鼻子音+閉鎖音の子音結合とは異なって鼻音部分は短く、たとえば[eⁿda](枝)は標準語の[eda]と同様に2モーラで発音される。なお、これらを先行する母音の鼻母音化と記述しているものもある。 ロドリゲス『日本大文典』の記述などから、中世末期の日本語においてガ行およびダ行の子音は語中では前鼻音化していたと推測されている。
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