日本における陰圧閉鎖療法の状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/02 18:16 UTC 版)
「陰圧閉鎖療法」の記事における「日本における陰圧閉鎖療法の状況」の解説
日本においては創傷を閉鎖し、湿潤環境を保つという湿潤療法は、既に鳥谷部俊一の提唱により、臨床の現場に取り入れられていた。これにさらに陰圧(負圧)をかけることによって治療効果が促進されるという情報は、アメリカ合衆国から入ってきてはいたものの、実質的に陰圧閉鎖療法≒KCI社のVACシステム、という寡占状態であり、専用機器の輸入や導入はコスト面で、非現実的ともいえる状況であった。治療法として厚生労働省による認可が下りておらず、健康保険が適用されていなかったためである。 そうした状況下であっても、専用機器を使用せず、手持ちの注射器や病院の病室壁面に設置してある吸引装置を使用して、簡易的に陰圧状態を作り出す方法が紹介され、これにより一定の成果を上げた医療機関もあった。しかし「手作り感」は否めず、完全に密閉を保ち、一定の圧をコントロールすることは困難であった。 2009年11月、ようやくVAC療法が日本でも認可され、2010年4月からは診療報酬の適用が可能となった。
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