日向正宗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 11:59 UTC 版)
日向正宗(ひゅうがまさむね)は、鎌倉時代に作られたとされる日本刀(短刀)。日本の国宝に指定されている。東京都中央区日本橋室町にある三井記念美術館が所蔵する[3]。また、後述の経緯から大垣正宗とも呼ばれる[4]。
注釈
- ^ 日向正宗の落札額について、日本銀行のHPに掲載されている企業物価戦前基準指数を用いて計算すると落札当時(昭和2年)の1円の価値は605円(平成17年時点)であるため、現代の物価で換算すると1,620,190円となる[8]。
- ^ 官報告示の指定名称は半改行を含み「短刀無銘正宗(名物日向正宗)
」と表記される(原文は縦書き)。 - ^ 日本刀用語で単に「反り」といえば「外反り」を指す。短刀の場合は無反りや、わずかに内反りになるものもある。本短刀については、文献により「内反り」(『日本の国宝』)、「わずかに反り、先内反り」(『正宗』)、「無反り」(『名物刀剣』)と記載されている。
- ^ 刀を、刃を上、棟を下に向けて左腰に差した場合、外側になる面が「指表」、内側になる面が「指裏」である。
用語解説
- ^ 「造込」は、刃の付け方や刀身の断面形状の違いなど形状の区分けのことを指す[11]。
- ^ 「鍛え」は、別名で地鉄や地肌とも呼ばれており、刃の濃いグレーや薄いグレーが折り重なって見えてる文様のことである[15]。これらの文様は原料の鉄を折り返しては延ばすのを繰り返す鍛錬を経て、鍛着した面が線となって刀身表面に現れるものであり、1つの刀に様々な文様(肌)が現れる中で、最も強く出ている文様を指している[15]。
- ^ 「刃文」は、赤く焼けた刀身を水で焼き入れを行った際に、急冷することであられる刃部分の白い模様である[16]。焼き入れ時に焼付土を刀身につけるが、地鉄部分と刃部分の焼付土の厚みが異なるので急冷時に温度差が生じることで鉄の組織が変化して発生する[16]。この焼付土の付け方によって刃文が変化するため、流派や刀工の特徴がよく表れる[16]。
出典
- ^ 本間順治; 佐藤貫一 『日本刀大鑑 古刀篇1【図版】』大塚巧藝社、1966年、252頁。 NCID BA38019082。
- ^ 「出品解説 国宝 二四 短刀 無銘正宗(名物日向正宗)」 『W・A・コンプトン博士 日本刀コレクション特別展目録』日本美術刀剣保存協会、1970年9月8日。
- ^ 小和田 2015, p. 188-189.
- ^ a b 刀剣春秋編集部(監修)『日本刀を嗜む』75頁、ナツメ社、2016年。
- ^ 東京国立博物館所蔵『刀 無銘貞宗(名物亀甲貞宗)』 - e国宝 2019年12月28日閲覧
- ^ a b c d e 福永 1993, p. 256.
- ^ a b c 福永 1993, p. 257.
- ^ 昭和2年の貨幣価値について - レファレンス協同データベース 2019年12月30日閲覧
- ^ a b c d 短刀〈無銘正宗(名物日向正宗)/〉 - 文化遺産データベース 2019年12月19日閲覧
- ^ a b 文化庁 2000, p. 92.
- ^ 刀剣春秋編集部 2016, p. 165.
- ^ a b 小林暉昌「短刀 無銘正宗 (名物日向正宗)」『日本の国宝 東京/五島美術館 大東急記念文庫 三井文庫』、週刊朝日百科第092巻、朝日新聞社、59頁、1998年11月29日。 NCID BA43224262。
- ^ 佐野美術館、徳川美術館、富山県水墨美術館、根津美術館 『正宗 日本刀の天才とその系譜』佐野美術館、2002年、159頁。ISBN 4-915857-54-9。
- ^ a b c 佐野美術館、徳川美術館、富山県水墨美術館、根津美術館 『名物刀剣 宝物の日本刀』佐野美術館、2011年、100頁。ISBN 978-4-915857-79-9。
- ^ a b 刀剣春秋編集部 2016, p. 174.
- ^ a b c 刀剣春秋編集部 2016, p. 176.
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